なぜわざわざ「手しごと」をするの?
癒しの料理教室ゆるり@木更津・袖ヶ浦 家主のさそうあけみです。
お教室では出汁を引いたり、めんつゆやドレッシングを作ったりと「ちょっとした手間」のかかる仕事をしてお料理を作ります。
なぜ手作りをしたいのでしょう?
出汁を引かずとも顆粒出汁だって十分おいしいし
ドレッシングもわざわざ作らなくても、有名店の物が簡単に手に入る。
そんな便利な世の中なのになぜ、わざわざ手間のかかることをするのでしょうか?
理由はシンプル。
楽しいから。
幸せに通じる「ちょっとした手間」
昔に比べて本当に便利になりました。
私が過ごした子供時代(昭和)に比べたら雲泥の差です。
全自動洗濯機はなかったしエアコンも一般的でなく、瞬間湯沸かし器が画期的でした(笑)
様々な面で便利になり効率化された今だからこそ、ちょっとした手間を意識する方が増えたのかもしれません。
便利さは「楽」を
ちょっとした手間は「楽しさ」を得られます。
そして楽しさはそれ以上に「幸せ」な気持ちに通じているます。
手作りみそは「こんなにおいしいの?」
「お味噌づくりをしたい!」と初めて作ったのはもう10年以上前のこと。
お味噌を作るには、手間も時間もかかります。
・大豆を戻して
・大豆を煮て(結構時間がかかる)
・麹と塩を混ぜて(以下略)と手間がかかります。
更に発酵させるので、時間がさらに時間もかかります。
おいしいお味噌なら老舗のお味噌屋さんから取り寄せたほうがずっと早いですよね。
そうなのですが、自分で手間暇かけて作ったお味噌のおいしかったこと!
ふわっと広がる味噌のコクやお味。
それで作ったお味噌汁のおいしかったこと。。
「なんだか幸せ。。」
としみじみ感じた記憶は今でも大事な思い出です。
いきなりのお味噌づくりはハードルが高いのですが、ちょっとした不便や手間を味わう方法は様々あります。
お料理をすることもその一つ。
普通は買ってしまうようなものを手作りすること。
これは私のした「おしごと」!
たとえどんな些細な事でも、みずから動くことは暮らしの手ごたえを作ってくれます。
あわただしさの中で、からめとられてしまうような感覚の毎日。
「これを作ったのは私」の気持ちが踏みとどまらせてくれるように思うのです。
なぜならその時間は、なんとなくすごしたのではなく「目的のある時間」だから。
主体的に手を動かし
レシピを参考にその時の状態に合わせて味を調整し
「今日はちょっと濃い目がおいしいかも」と小さな発見や自分で作った達成感を味わえる。
「このおしごとをしたのは私」というささやかな喜びは、確実に心の栄養になります。
まとめ
便利さを求めすぎると「楽」は手に入っても、「楽しさ」が抜け落ちてしまうのではないか?と思います。
便利さは他の人が作ってくれた「何か」で作られていて、そこに私が存在しないから。
手作りは面倒であったり、時間や手間がかかったりします。
一方で得られる喜びはとてもささやかかもしれません。
うまくできるとは限らないし、買ったほうがよかったと後悔するかもしれません。
それでも工夫や小さな喜びには「私」が存在しています。
無意識に感じている「自分仕様に仕上げた」達成感は心地よいものです。
だからといって、すべて手作りしよう、なんて思わなくて大丈夫。
たまにそんな時間を味わえたら、それで十分心の栄養になりますから。
<癒しの料理教室ゆるり@木更津 袖ヶ浦 家主 さそうあけみ 筆>